パリオリンピックから正式種目として追加されたブレイキン。
日本でもB-GIRL AMI(湯浅亜実選手)やB-GIRL AYUMI(福島あゆみ選手)が金メダル候補になっていて、注目競技のひとつですよね。
このふたりのライバルとして注目されているのが、中国のB-GIRL 671ことリウ・チンギ選手です。
中国はブレイキンでは、米国やカナダ、フランス、日本に比べるとやや劣ると言われています。
しかし、671選手は、オリンピックに向けて、国際大会では常に好成績を残しています。
最近の成績を見れば、金メダル最有力候補のひとりなのは間違いないです!
また、彼女が国際大会で大きく飛躍したのは、伝説のB-BOY Chao師匠との出会いがあったからだそうですよ。
日本勢・AMIやAYUMIのライバルとなるB-GIRL 671がどんな選手なのか気になるところですね!
今回は、B-GIRL 671について調査してみました。
リウ・チンギ選手の表記は、漢字では”劉清漪”、英語では”LIU QINGYI”です。
- 671リウ・チンギはB-GIRL AMI(湯浅亜実)の好敵手
- 671って何者?リウ・チンギは中国B-GIRLの宝!
- 671リウ・チンギの経歴や生い立ちは?
- 伝説のB-BOY Chao師匠との出会い
671リウ・チンギはB-GIRL AMI(湯浅亜実)やAyumiの好敵手
引用:CGTN(左からAMI、671、AYUMI。2023年アジア競技会にて)
B-GIRL 671ことリウ・チンギ選手は、日本のAMIやAYUMIのライバルとして、ここ数年つねに上位で競っています。
特に印象深いのは、2023年2月24日-25日に福岡で行われた「WDSF Breaking for Gold World Series」です。
引用:youtube 公式TBSスポーツ【アジア大会 中国・杭州】ハイライト 決勝 ブレイキン女子決勝
671選手は準々決勝でのAYUMI選手との対戦に勝利し、決勝ではAMI選手と接戦を繰り広げました。
世界ランク1位のAMIは、すべての技の完成度が高いオールラウンダーで、しっかり音に乗り、しなやかな動きととてつもなく速い足さばきで、最初から最後まで王道のブレイキンを繰り広げました。
一方、世界ランク2位の671選手は、男子並みのパワームーブが特長で、世界で最も勢いに乗ってるB-GIRLと言われています。
今回も、高難度のパワームーブ技をつなげて、技が決まると会場からは大歓声があがり、ラウンドが終わるたびに会場をとりこにしていきました。
引用:youtube 公式TBSスポーツ【アジア大会 中国・杭州】ハイライト 決勝 ブレイキン女子決勝 コメント欄より
- 音楽含めてのダンスだと思ってるから日本の方が上手く乗せて踊ってる様に見えたけど、会場が盛り上がりそうなのは中国の方でしたね。
- カルチャーとしてはアミだったけど、パワーのクオリティ、女子でやる難易度考えたら中国の方もエグかった
結果は、ジャッジ1票差という本当に接戦で、671選手が勝ち、優勝を決めました。
国際大会では常に上位争いをしている3人のここ数年の成績を見ていきたいと思います。
大 会 | 671 | AMI | AYUMI |
World Championship(2022/10) | 2位 | 優勝 | 3位 |
WDSF Breaking for Gold World Series(2023/2) | 優勝 | 2位 | 7位 |
WDSF Breaking for Gold World Series(2023/4) | 2位 | 優勝 | 3位 |
WDSF Breaking for Gold World Series(2023/5) | 優勝 | 3位 | 8位 |
WDSF Continental Championship(2023/7) | 4位 | 2位 | 優勝 |
World Championship(2023/9) | 5位 | 10位 | 2位 |
アジア競技大会(2023/10) | 優勝 | 2位 | 3位 |
レッドブルBC Oneワールドファイナル(2023) | 2位 | 優勝 | – |
ほとんどの大会で、上位で戦っており、どちらが勝つかわからない状態です。
オリンピックの舞台でも、僅差の戦いになるのではないでしょうか。
671って何者?リウ・チンギは中国B-GIRLの宝!
引用:海外メディア
名前の「671」というのは、何かの番号なのかと思ったのですが、リウ・チンギの名前の発音から来ているそうです。
音を数字に当てはめるのは、中国でもあるんですね!
日本勢でもパリオリンピックに出場するB-BOY「Hiro10」さんも名前に数字を使ってますが、ヒップホップカルチャーでは、名前の後に数字をつける様式が古くからあるようです。
ダンサーネームのつけ方に決まったルールがあるわけではありませんが、ダンスをしていく上で、自分のアイデンティティを表現する1つの重要な要素として、みなさん大事に名前を考えられているんでしょうね。
671選手が世界的に知られるようになったのは、2022年のthe Outbreak Europeでの優勝です。
当時671選手は16歳でした。
この優勝は、中国人ブレイカーが初めて国際大会で勝ち取った優勝になりました。
同じ2022年に世界ブレイキング選手権で獲得した銀メダルも、中国ブレイキン史上初のメダルになりました。
中国のブレイキンの歴史は、671が作っています!
671リウ・チンギの経歴や生い立ちは?
引用:CGTN
671選手は小さい頃からギターやテコンドー、ボクシングを習っていたそうです。
中国の河南省出身でブレイキンと出会ったのは10歳の時でした。
家族で買い物をしていた道端で偶然出会ったそうです。
もともとはシャイな人柄だったそうですが、ブレイキンをきっかけにかわったそうです。
B-GIRL 671ことリウ・チンギ選手の経歴について調査してみました。
もともとは人見知りな恥ずかしがり屋
ブレイキンに出会う前の671選手は、すごく恥ずかしがり屋だったそうです。
人見知りも激しく、知らない人とコミュニケーションを取るのも苦手でした。
ブレイキンに出会ってから、内向的な性格もかわっていったそうです。
今では、大勢のファンが見守る舞台で、堂々と演技を魅せてくれます。
ブレイキンとの出会いは、彼女にとって非常に大きいものだったようですね。
二人の師匠
ブレイキンを始めてすぐに、スクールに通うようになり、そこでB-Boy Boさんに出会い、ブレイキンを教えてもらうことになります。
B-Boy Boさんはすぐにリウさんの素質を見抜いたようです。
2人目の師匠は、州の選抜チームでコーチをしていたB-Boy Chaoさんだそうです。
671選手がブレイキンで大きく飛躍できたのは、2人目の師匠との出会いがあったからだといいます。
671の師匠はB-Boy Chao!伝説の日本人B-boy
1990年代から2000年代初頭にかけ、世界をまたにかけて活躍した伝説のBBOY、CHAO。 日本を代表するWASEDA BREAKERS、そしてアメリカを代表するクルーHAVIKOROの一員として、オリジナリティあふれるCHAOスタイルで世界中に影響を与えました。 BBOYとしては、2003年に引退。
引用:RAWSKOOL インタビュー 2013.2.15
671選手 は、ブレイキンを始めたとき、パワームーブとテクニックに夢中になりましたが、ダンスの文化や本質について全く分かっていなかったそうです。
B-Boy Chaoさんは、そんな671さんにブレイキンの本質とダンスの基礎を教えました。
実は、このB-Boy Chaoさんは日本人で、日本を代表するブレイカーで、レジェンドと呼ばれる人物です。
あのころ、ダンスをしていた方は「あの、Chaoさん?」と懐かくなったんではないでしょうか。
Chaoさんの2000年ごろの動画を見ても、まったく色あせないブレイキングで、当時のダンスを紹介しているYouTubeのコメント欄には賛辞があふれています。
671選手は、Chaoさんがブレイキンの真髄を教えた州の選抜チームでどんどん技術を磨き、一気に中国代表へとステップアップしていったそうです。
ナショナルチームの関係者によると、強化訓練では、中国武術、中国舞踊、近代舞踊、ヨガなどのコーチを招き、演技に新しい要素を取り入れることができるよう指導してもらったという。
引用:人民日報
その後、中国代表チームでは、中国伝統芸能から様々な要素を取り入れ、独自のスタイルを確率していきました。
パリオリンピックに向けて
671選手は、パリオリンピックで足跡を残すべく奮闘する新世代のブレイカーの一人です。
「中国を代表していることを誇りに思います。以前は、私の国出身の B ボーイや B ガールのことを知らない人もいたかもしれませんが、今はみんな知っています。」
将来の目標について、彼女はシンプルなビジョンを語る。「自分のパワーとスタイルを磨き、もっと国際大会を楽しみ、中国出身のB-Girl 671としてもっと多くの人に知ってもらいたいです。」
引用:レッドブルインタビュー 2024.3.5
【ブレイキン】671って何者?B-GIRL(AMI)湯浅亜実の好敵手?【まとめ】
今回は、パリオリンピック・ブレイキンの金メダル候補、B-GIRL 671選手について調査してきました。
671選手は、中国のブレイキン競技の先駆者で、中国人選手初の世界大会の優勝やメダル獲得をしてきました。
パリオリンピックでは、日本代表のB-girl AMI選手やB-girl AYUMI選手のライバルになりますが、彼女のパワーと独自のスタイルを活かしたブレイキンも楽しみにしたいところです。
最後までお付き合いいただき、まことにありがとうございます。
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